#25 柳田周作(神はサイコロを振らない)
23年9月6日(水) 20:00
柳田周作さん(神はサイコロを振らない)
今回の主人公、宮崎市出身の柳田周作さんは、
4人組のロックバンド「神はサイコロを振らない」のボーカル。
2020年にメジャーデビューを果たし、CMやテレビドラマの主題歌に起用されるなど、今注目のロックバンドです。
この日は、東京都内のスタジオで夏フェスに向けたリハーサル。
パソコンに向かってひたすら作業をする柳田さん。
一体何をしているのでしょうか―――
(柳田さん)
「ライブの時に生ドラムだけでは出せない音を、これで出すんです。
ライブのセットリストをこれ(PC)で組んじゃうみたいな。僕の仕事は非常に地味です(笑)」
「やっぱり一番面白いのはライブで、曲作りに関しては、9割苦しい、1割超楽しいみたいな。」
バンドメンバーに、柳田さんについて聞いてみると。
(ドラム・黒川さん)
「責任感のある、変態ですかね(笑)」
(ギター・吉田さん)
「こだわりがめちゃくちゃ強い。曲とか”自分がこうだ!”と思うものにならなかったら死ぬほど追及する感じですね。」
音楽漬けの日々を送る柳田さん。
小学校時代の恩師・柴田先生は、最初に柳田さんの音楽を聴いたときは衝撃だったといいます。
(柴田さん)
「え?周作くんが歌っているの?っていうのがあって。
そして、作詞作曲も柳田周作って書いてあったから、なんでこういう才能がある!?なんて。
逆に僕も未熟だなと。1年間も担任しててね、(気付かなかったから)。」
「神はサイコロを振らない」は福岡の大学時代に出会った仲間と2015年にバンドを結成。
激しさと静けさの両極を呼応させるような楽曲が特徴。
そして何より気になるのが、このユニークなバンド名「神はサイコロを振らない」。
名前の由来を聞いてみると―――
(柳田さん)
「物理学者のアインシュタインが遺した言葉の中に”神はサイコロを振らない”という言葉があって。
物理学上においてはすべて法則が必ずあって、そのもとに成り立っている。
とはいえ、僕らの生きる世界はめちゃくちゃ偶然的なことのほうが多い。必然的なことよりも。」
「”神サイ”って略すなよ。”神はサイコロを振らない”っていう言葉だろ(と思うけど)。
気付いたら自分からいうようになっていましたね、神サイって。(笑)長いんですよね、バンド名が(笑)」
メジャーデビューまでの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。
(柳田さん)
「音楽をやっている人のあるあるだと思うんですけど、”まず親に反対される”っていう。僕も割とそうで。
福岡の九産大(九州産業大学)でこの4人が出会ったんですけど、別に音楽がやりたくて大学に行ったわけじゃなくて、
たまたま大学に行って出会って、たまたまバンドやろうぜってなってここまで来てはいる中でも…
大学をやめてまで音楽をしたいって僕が言い出して。親父とかも”バカも休み休み言え”という感じで言われて」
そんな当時、恩師・柴田さんの元に柳田さんのご両親から連絡がありました。
(柴田さん)
「(柳田さんの)お母さんから電話がかかってきて。”大学を辞めるっていうんですけど”っていう話で。
やっぱり僕は最後まで貫き通してもらいたいという気持ちがあったんですけど、大丈夫かな~という気持ちはしてました。
だから、お母さんやお父さんはもっともっと不安が大きかったんじゃないかなと思いますけども。」
メジャーデビューへの夢を抱き、柳田さんは大学を中退、音楽の道へ。東京へ向かった4人。
しかし、現実は厳しく。。。
(柳田さん)
「東京を拠点にして、地方のライブハウスをまわる日々だったけど、なかなか…全然…というか、くすぶっていた。」
さらに追い打ちをかけたのが、新型コロナの感染拡大でした。
(柳田さん)
「いよいよ終わったぞ(って思った)。」
コロナ禍でのライブ活動が制限されていく中、SNSで神サイの曲が話題になります。
♪夜永唄
恋人への想いをつづったこの曲が、コロナ禍の若者たちの心に刺さります。
(柳田さん)
「コロナ禍で、リモートでメジャー契約を結んだのは僕らが初めてだったらしいので日本で。
だからそういう意味でも、一個の希望になれたのかな(と思う)。」
様々な逆境を乗り越えて掴んだチャンスでした。
そして、逆境のなか、柳田さんが掴んだものはもうひとつ。
(柳田さん) -Zeppツアーファイナル東京公演にてファンに向けて-
「最初は、普通に俺たちはかっこいい音楽をやりたくてバンドをはじめたんですけど。
もちろんかっこいいは(これからも)突き詰めていきますけど。
それでも僕らの音楽をやる理由は、今となっては、もう、みんなのためです。
みんなが、明日から、またしんどい日々が始まるかもしれないけど、それでも、なんとか、転んで、転んで、躓いて、躓いて、もう立ち上がれなくなっても、そっと僕らが起こしてあげられるような、そういうバンドというか、あんまり頼りないかもしれないですけど、この4人をどうか末永くよろしくお願いします。」
神はサイコロを振らないの曲が、多くの人に知れ渡るきっかけとなった曲。
♪修羅の巷
今年、TBS系列日曜劇場「ラストマン -全盲の捜査官-」挿入歌に抜擢。
(柳田さん)
「自分の中で作ったハードルは多分今までで一番高かったんですよ。
それでこれを超えるためには、”こんな曲じゃダメだ”というふうに何曲も何曲もデモを作って、
なんなら1枚のミニアルバムができるくらい作った」
この曲には、これまで生きてきた柳田さんの人生への想いが込められています―――
(柳田さん)
「どっちかというと、こう、”弱い者の味方でありたい”というか。」
「僕みたいな人っていうのは、周りに人がいたり、メンバーがいたり、チームがいたり、ファンがいたりしないと、
ずっと堕ちていく一方というか。弱者のための、”反撃ののろし”じゃないですけど。
胸の内から湧き上がってくる『なにくそ!』みたいな気持ちは忘れないでほしいなっていう。」
”お~い!げんきしちょる?”
恩師・柴田先生から柳田さんに贈ったものとは―――
霧島焼酎と、宮崎マンゴー。
(柴田さん)
「宮崎を代表するマンゴーよりも、有名になってもらいたいという気持ちを込めて(マンゴーを贈った)。」
(”マンゴーを切った後、サイコロに見える”ということもありマンゴーを贈った柴田さん。)
(柳田さん)
「おやじギャグってことですか(笑)」
「(柴田さんは、)今は小学校の先生じゃなくて、お年寄りの方のサポートをしているということで。
やっぱり、いくつになってもカッコイイなと思いますね。」
ロックバンド・神はサイコロを振らない
9月27日には、2ndアルバム「心海」をリリース。
そして10月には、初の海外ライブが決定!
♪illumination
世界への扉を開ける”神サイ”。
ふるさと宮崎への思いとは―――
(柳田さん)
「お世話になった家族だったり、特にじいちゃん、ばあちゃんは特に足が悪いんですけど、
ライブハウスはちょっと大変なので、いつかは宮崎市民文化ホールに大切な人たちを連れていきたいなと(思っている)。」
宮崎のわけもんへ―――
(柳田さん)
「これ絶対僕が絶対言いたいのは、『あきらめないでほしい』!
それは、頑張るとかではなくて、自分の可能性をあきらめないでほしい。」
「「若者は、夢を見るべきだと思います。」」
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