#37 早田神龍(木下大サーカス)
24年9月4日(水) 20:00
早田神龍さん(小林市出身)
小林秀峰高校の男子新体操部。
これまで、全国大会で数々の成績を残してきた、全国屈指の強豪校です。
今回の主人公は、そんな小林秀峰高校男子新体操部のOB。
強豪チームを卒業し、選んだ道とは―――?
――――――――――――――――――――――――
広島市。創業122年の木下大サーカス。
動物たちによる曲芸や世界一流アーティストによる圧巻のパフォーマンスで、年間120万人以上を動員する世界最大級のサーカスです。
サーカスの花形ともいえる、空中ブランコで活躍しているのが今回の主人公、早田神龍。小林市出身の27歳です。
(早田さん)
「ダイナミックな技とか、高さの緊張感とか、みんなヒヤヒヤしながらやっている感じ…
いろんなところに魅力があると思います。」
――――――――――――――――――――――――
7月某日。広島公演の会場に早田さんの姿がありました。
(早田さん)
「いまから溶接の作業です。」 なんと、パフォーマーである早田さんも作業をするそう。
実は、木下大サーカスは、お客さんの案内や販売などの運営・テントの設営・ショーの準備などを全てサーカスの団員でおこなっているんです。
会場の顔となる入口の看板まで、団員たちの手作り!!
(早田さん)
「ほぼ独学ですね(笑)サーカスの先輩に教えてもらったりとか。」
――――――――――――――――――――――――
新体操が盛んな、小林市。中学から新体操をはじめた早田さんは、強豪の小林秀峰高校へ進学。
(早田さん)
「高校時代が一番しんどかったなと思います(笑)」
「(今は)場起こしとか解体設営とかもしんどいんですけど、高校の部活に比べたらみたいなのがあるので、やっぱりやってて良かったなと思いますね。」
(高校時代の恩師・日高監督)
「早田は、体操がすごくうまくて、逆に言えばタンブリング(※)はそこまで得意ではなかったと思うんですけど、その分”自分の武器ってなんだろう”って極めた結果が体操の部分だったのかなと思います。」
※タンブリング:床やマットの上で跳躍や回転をおこなう運動のこと。
高校在学当時はインターハイにも出場。
2015年には全国高等学校総合体育大会で7位という好成績をおさめました。
(早田さん)
「やっぱり6年間培ったパフォーマンスやバク転とかをなにか仕事に生かせるものがないのかなというのを(当時の)担任の先生に相談したら、”木下サーカスっていう求人があるけど受けてみるか?”って言われて、『ぜひ!』って。」
――――――――――――――――――――――――
いよいよ公演日がやってきました。
この日は、夏休みということもありお客さんも多く大盛況。会場は、熱気に包まれました。
舞台では、”ハイスピードローラースケーティング”に”七丁椅子の妙技”など、
様々なパフォーマンスがお客さんを魅了します。
プログラムの最後を飾るのは、”空中ブランコ”。高さは13m。ビルの四階に相当します。
ハラハラするパフォーマンスが繰り広げられる中、いよいよ早田さんの出番。
身軽で華麗な演技にお客さんも釘付けです。
終演後のお客さんインタビューでも真っ先に”空中ブランコ!””すごかった!”と出るほど。
観客を魅了する早田さん。その素顔とは―――?
――――――――――――――――――――――――
この日は、公演終わりに家族での団欒。仲が良いメンバーも合流してのお食事です。
(早田さん)
「(こういう食事は)よく行きますね。こういう場で話したほうが仕事に活きることが多くて。」
奥さんの菫さんも、サーカスのパフォーマー。
仲間として、そして家族として、早田さんを支えます。
(妻・菫さん)
「普通の家庭に比べたら(一緒にいる時間が)長いかもしれないです。」
「私が仕事復帰してからは、ほとんどの家事を(早田さんが)やってくれるんです。」
(早田さん)
「キツイこととかがあっても、娘のことを想ったら頑張れるし、全部を家族に捧げられるくらい。やっぱり子どもと嫁が大事です。生きがいですかね。」
――――――――――――――――――――――――
ショーの花形、空中ブランコに出演する早田さんですが、実は高所恐怖症。
(早田さん)
「ショーのオープニングにぐるぐる回る演目があるんですが、それを以前僕もやっていて。
その時に自律神経というか、急な発作みたいなのが出て、空中ブランコでも出始めて・・・
1回ブランコをやめるというか、また一から下から練習しようってなりました。」
およそ3年前。空中ブランコの舞台から一時おりることに。
(早田さん)
「必死でしたね。また舞台に立てるようにって。
同期がやっているのを下から眺めていて、”俺もまたあそこ立ちたいな”っていう気持ちで。
でもやっぱ怖さが勝っちゃったりとか。自分を奮い立たせながらやってて。
”また下でやったらできるから”とか励ましとか色々、同期が助けてくれたりとか。
そういうことがあって・・・また出られましたね。」
空中パフォーマーの先輩からはこんな声も。
(先輩・高岡さん)
「もともとクオリティが高いんで、ポテンシャルも高いんですが、
なかなか気持ち的に打ち勝てずに、新しいことにチャレンジをあまりしないので・・・
もうひとランク、技のレベルを上げるとか、やってもらいたいです。」
――――――――――――――――――――――――
公演終了後、新しいパフォーマンスに挑戦する早田さんの姿がありました。
(早田さん)
「綱渡りなんですけど、”坂綱”って呼んでいます。
下から上までロープを張ったのを、足の指で登っていくっていう技です。」
実は、9月22日からは宮崎公演が始まります。
そこで披露するために、2年前からこのパフォーマンスを特訓しています。
この”坂綱”も高さは10m越え。さらに、傾斜のある綱を背中で滑り落ちます。
(恩師・日高監督)
「今回の宮崎の公演も、ぜひみんな(小林秀峰高校 男子新体操部)で観に行きたいと思ってますし、(早田さんの姿を)今の子どもたちに見せるのも、すごく子どもたちにとってエネルギーになったり、励みになったりすると思うので、頑張ってもらいたいですね。」
”お~い!元気しちょる?”
恩師・日高監督から早田神龍さんに贈ったものとは・・・?
宮崎を感じる霧島焼酎と”小林秀峰タオル”。タオルは今年初めて作ったそう。
そして・・・小林秀峰高校農業科で作ったいちごジャムや乳酸飲料も。
(早田さん)
「懐かしい~!!僕も作ってましたよ。」
高校の後輩たちと日高監督のビデオメッセージにも笑顔の早田さん。
(早田さん)
「あとは、(宮崎公演の)舞台で見てもらえれば。」
後輩や恩師に魅せる演技、よりいっそう気合が入りますね。
(早田さん)
「前回(の宮崎公演)と全然やっていることも違うし、僕も結構成長していて、あの当時はあんまり思っていなかったことなんですけど、”感謝”を今は常に感じていますね。」
「人と人とのつながりもそうだし、監督であったり、家族であったり、同期に支えられて(ここまで来れたので)、、、。なので最近よくいう言葉が”感謝を伝える”ですね。」
「どこの公演でももちろんそうですけど、特に地元宮崎は感謝を伝えたい人がいっぱいいるので、”感謝”の気持ちでステージに立ちたいです。」
検索
投稿月
-
2024年11月(1)
-
2024年10月(1)
-
2024年9月(1)
-
2024年8月(1)
-
2024年7月(1)
-
2024年6月(1)
-
2024年5月(1)
-
2024年4月(1)
-
2024年3月(1)
-
2024年2月(1)
-
2024年1月(1)
-
2023年12月(1)
-
2023年11月(1)
-
2023年10月(1)
-
2023年9月(1)
-
2023年8月(1)
-
2023年7月(1)
-
2023年6月(1)
-
2023年5月(1)
-
2023年4月(1)
-
2023年3月(1)
-
2023年2月(1)
-
2023年1月(1)
-
2022年12月(1)
-
2022年11月(1)
-
2022年10月(1)
-
2022年9月(1)
-
2022年8月(1)
-
2022年7月(1)
-
2022年6月(1)
-
2022年5月(1)
-
2022年4月(1)
-
2022年3月(1)
-
2022年2月(1)
-
2022年1月(1)
-
2021年12月(1)
-
2021年11月(1)
-
2021年10月(1)
-
2021年9月(1)