
#42 牛谷朋也(北欧ヴィンテージ家具店オーナー)
25年2月5日(水) 20:00
牛谷朋也さん(宮崎市出身)
家具はいろんな国のジャンルとか、デザインのテイストっていうものがあるんですけれども、その中でも北欧のヴィンテージ―――デンマーク、スウェーデンだと、木材を使った家具が非常に多いので、
温もりのある、かつ50年60年たった木材の経年を楽しめるのにすごく惹かれましたね―――。
東京都三鷹市。
2016年にオープンしたBRICKS STORE。
ヴィンテージ家具を扱う、専門店です。
この、BRICKS STOREのオーナーが、宮崎市佐土原町出身の牛谷さんです。
お店に並ぶのは、主に1950~1970年代にデンマークやスウェーデンなどの北欧で作られたヴィンテージの家具。その洗練されたデザインで人気となっています。
中でも牛谷さんのお気に入りは・・・
(牛谷さん)
「ここのヴィンテージの中でも色々あるんですけども、できる限りデザインをおとした簡素なものをセレクトするようにはしていますね。」
「デザイン性が高いものもかっこいいんですけど、簡素なものを集めた方が、空間としては落ち着いて、飽きが来ずに長く使えるんじゃないかなというのが、僕の考え方です。」
お店の家具の中で、牛谷さんがおすすめしてくれたのは、
デンマークを代表する家具デザイナー、ボーエ・モーエンセンのイージーチェアとオットマン。
(牛谷さん)
「木部は全部削り直して、オイルを入れて仕上げ直しと・・・ファブリックの部分は中のウレタンを替えて、生地も張り替えて仕上げ直しをしたものですね。」
「ゆったりとしたサイズ感で、読書だったりとか、疲れて帰ってきてゆっくり掛けてくつろぐいだりとか、そういった使い方が合っているものです。」
幼少の頃から、インテリアに興味をもっていた牛谷さん。
高校卒業後、東京の専門学校でデザインを学び、ヴィンテージ家具の人気店「トランジスタ」に就職しました。
(牛谷さん)
「一番最初をさかのぼると・・・小学生の時に、夏休みの自由研究でフロアランプを作っていたというのがあって。そのころからインテリアには興味あって、高校や専門学校でインテリア業界に行きたいなというのがありましたね」
そんな牛谷さんを中学時代から知るのが、現在宮崎の高校で教鞭を執る、小野剛一さん。
(小野さん)
「(学生時代の牛谷さんは)全般的に手先が器用で、描くデッサンとかもすごく上手だなという印象があって。クラスの中でも、やはり上手だったので(学校に)張り出されたりとか、あったような記憶があります。」
「今は頻繁に会うということはないんですけれども、彼のインスタなどでメッセージを送ったり・・・。遠くにいるんですけど、距離感的にはすごく近く感じています。」
(牛谷さん)
「(学生時代)美術の授業はすごく好きで、絵はちょっと上手かったかどうか定かではないんですけれど、もの作ったり、図工だったりとか・・・美術の中でもレタリングだったりとか、そういうのは非常に凝ってやってたのは覚えていますね。」
独立後、牛谷さんが立ち上げたBRICKS STORE。
現在スタッフは牛谷さん1人なんだそうです。
(牛谷さん)
「現在僕は完全に一人でこの店を運営しているので、買い付けや修復もそうですし、撮影だったり、接客だったり・・・基本的には全部楽しんで仕事ができているかなというのはありますね。」
ヴィンテージ家具を扱う上で大切なのが、家具の修復作業です。
(牛谷さん)
「ソファーやイスの張り替えは専門の職人がいるので、そういったプロの方々にお願いしているんですけど、木部の修復は基本的に僕が全部行っています。」
「極端に綺麗にしようというよりは、”元の状態に戻してあげる”ようなイメージですね。で、且つ20年、30年と長く使っていただけるような仕上げの仕方をしますね。」
海外から買い付けたヴィンテージの家具は、傷んだ状態のものが多く、修復する必要があります。
牛谷さんは、工具などは極力使わず、手作業で修復をおこなっています。
(牛谷さん)
「半世紀以上経った木材なので、表面的にもカサカサして乾燥してしまっているものを、表面を荒い番手から細かい番手に替えて削って、まずは木部を整えてあげるという作業です。」
「最終的にはオイルとワックスを入れるんですけど、やはり木材なので乾燥が良くないので、そこに潤いを与えていくという作業です。そうすることで、また20年、30年と長く楽しんでいただくことになります。」
取材をした日、牛谷さんの元を訪れた男性がいました。
インテリアショップideotを経営する井出裕太さん。
牛谷さんが独立する前からのお付き合いなんだそう。
(井出さん)
「(牛谷さんは)まじめで、丁寧。一緒に釣りをやっているんですけど、釣りもまじめで丁寧。もちろん仕事も。」
井出さんが、牛谷さんに伝えたアドバイスとは―――。
(井出さん)
「愛じゃないですかね。お客様に対しても、モノ(家具)に対してもそうですけど、愛情を込めてないと、愛情は伝わらない。やっぱり愛が必要だなと思います。」
(牛谷さん)
「ずっと家具の修復などをしていると、周りが見えなくなっちゃうので、たまには(釣りなどで)外の世界というか、自然に癒やされる時間も欲しくなりますね。」
もうひとつ、牛谷さんが癒やされる場所があります。
それが、都内にある自宅。
(牛谷さん)
「家を建てるにあたって、一般的には家が出来てから家具を揃えていく流れになるんですけど、うちの場合はちょっと逆の手順で、家具を全部決めてから家の設計に入ったので、できるだけその家具と家のバランスを取りたかったというのは大きいかもしれないですね。」
自宅の家具はすべて牛谷さんがチョイスしたもの。
こだわりの北欧ヴィンテージです。
(牛谷さん)
「基本的に天井が高いので、それを活かして家具は比較的低めに全部おさえて、空間の広さを際立たせようという考えはありますね。」
「3人家族なんですけど、ゆったり使えるような空間にしています。」
牛谷さんのご自宅は、雑誌等にも取り上げられています。
(井出さん)
「私も実際に雑誌を買って、彼が活躍しているところを見たり、今、自宅を出しているというところもあって、”こんな家建てたんだ”、”すごいな”というような気持ちで、いつか僕も彼がリメイクした家具を買えるようになれたらいいなという風に思っています。」
”お~い!元気しちょる?”
親友・井出さんからの贈り物・霧島焼酎を、牛谷さんのお気に入りの場所で・・・。
(牛谷さん)
「また宮崎に帰った時に、(井出さんと)一緒に話したりお酒を飲んだりしたいですね。」
今後の展望を伺いました。
(牛谷さん)
「実は、(独立時に)東京で活動していくのか、宮崎で活動していくのか、というのはやっぱり迷った時もあったんですね。宮崎で物件を探したりとかも、過去にはあったんですけど・・・まあ、ゆくゆくは宮崎でもなにか活動ができれば嬉しいですね。」
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