#45 杉山歩(アーティスト)

お~い!元気しちょる?

25年5月7日(水) 20:00

杉山歩さん(宮崎市出身)

 

(杉山さん)

「いつもその時に、自然から感じたものを絵にしていくんですけど、

 深く自分が考えて感情で描くというよりは手が動くままに描くような感覚で描いています」

 

東京、港区・表参道で現代アートを中心に扱う「YUGEN GALLEY」。

東京と福岡の二ヵ所で、国内外で活躍する新進気鋭のアーティストの作品を展示しています。

 

ここに展示してある作品を描いたのが、今回の主人公、杉山歩さんです。

 

 

杉山さんの作品は、一見、植物などをモチーフに描いたようにも見えますが、実は...

 

(杉山さん)

「特定の何かの植物を描いているというわけではなくて、

 例えば今の時期だと風の揺らぎだったり、気温の暖かさとか、花の香りとか...

 そういった目に見えない部分の”ゆらぎ”を表現して、植物のようなモチーフで描いています。」

 

杉山さんは、宮崎市出身。現在は、東京を拠点に活動しています。

 

高校時代は宮崎でモデルなどの活動をし、卒業後上京。

上京後も、フリーのモデルとして活躍していましたが...

 

(杉山さん)

「結果的には、フリーでお仕事をいただきながら活動していたんですけど、

 なんとなく自分の中にある何かが出しきれていない感覚というのがすごいあって、悩んだ時期もありました。」

 

モデルとしての活動に行き詰っていた杉山さん。

そんなときに、相談相手になっていたのが―――

 

(杉山さん)

「高校の友達の優美に、すごく色んなことを話して相談していました。」

 

―――

 

杉山さんの高校の同級生で、親友の松田優美さん。

都城でお話を伺いました。

 

(親友・松田さん)

「(杉山さんとは)結構ふざけあったりすることも多かったので、楽しい時間を過ごしていました。」

 

社会人になってからも定期的に会って近況を伝えあう中で、

松田さんは、杉山さんが悩みを抱えていることを感じていました。

 

(親友・松田さん)

「私から見て、(杉山さんが)”何が頑張りたいのかなー”って思った時があったので、

 ”今、何が一番がんばりたいの?”っていう話をしたことがありますね。」

 そんな松田さんは杉山さんにとってかけがえのない存在でした。

 

(杉山さん)

「お互い話すことでモチベーションにつながったりとか、よし頑張ろう!って思えるような友達だったので、

 (松田さんと)話すだけでも気持ちが楽になるというか。」

 

そして、杉山さんがたどり着いた先が―――

 

(杉山さん)

「モデルとしての活動もすごく達成感があったり、色々な刺激もあったりして、やっぱり元々やりたかったことでもあったので、

 すごい楽しみながら色んなお仕事をさせていただいたりしていたんですけど、

 やっぱり自分の中に表現しきれてない何かが眠っている感覚みたいなのがあって、たどり着いたのが絵でした。」

 

 

独学で飛び込んだ、絵の世界。

杉山さんの原動力となったのは、懐かしいふるさと宮崎の自然でした。

 

(杉山さん)

「幼少期に、周りに田んぼがあるような環境で育って、

 やっぱり東京に出てきた時に、自分の生まれ育った豊かな自然のある環境を思い出すタイミングが結構多くて...」

 

宮崎の自然から感じ取ったものを絵に書き残しているんだそうです。

 

―――

 

さらに、絵の他にも杉山さんが才能を発揮しているものがありました。

 

それは、生け花。

杉山さんは現在、一葉式いけ花で学んでいて、講師の資格を持っています。

 

昨年11月に東京で行われた「宮崎市制100周年記念ふるさと交流会」でも、生け花パフォーマンスを披露しました。

 

 

(杉山さん)

「イベント自体が”宮崎市制100周年”という記念すべきイベントだったので、

 宮崎の市の象徴ともなっている”太陽”と”みどり”をテーマに、自分が幼少期によく行っていた海の景色だったり、

 みどりとか太陽とかが輝き合っているような景色をイメージして生け花をさせていただきました。」

 

杉山さんの生け花の師匠、粕谷尚弘さんに話を伺いました。

 

(華道・一葉式いけ花 家元・粕谷さん)

「すごい真面目にやってくれていてますし、一生懸命さが伝わってくるようなことをいつもやってくれていますね。

 生け花って、知ってもらえさえすれば、絶対面白いんですよね。それを多くの人に知ってもらいたい。

 そういう意味では本当に(杉山さんに)活躍していただいて、生け花をたくさんの人に知っていただけるといいなと思いますし、

 いろんな人の見本とかインフルエンサーになれるような方だと思いますので期待しています。」

 

絵と生け花。

杉山さんは、この二つを組み合わせて展示を開きました。

 

個展を開催したギャラリーの担当者からは―――

 

(YUGEN GALLERY・大塚さん)

「YUGEN GALLERYでは、”生け花と油絵”の個展というのを初めて開催しておりまして、

 杉山さんの描く植物の細部には繊細さが感じられ、その中に日本の伝統的な自然観が宿っているという風に感じています。」

 

宮崎にいる親友・松田さんも、個展に足を運んだそうです。

 

(親友・松田さん)

「展示会には2回くらい行ってるんですよ。直接行って(作品を)感じると、やっぱり嬉しい気持ちになりました。」

「自分の部屋に飾りたいと思いました。」

 

―――

 

東京・港区赤坂にある日本料理店「かさね」。

ミシュランの一つ星を獲得したこともある名店です。

 

(杉山さん)

「私が上京してきたのが19歳の時だったんですけど、当時からずっとお世話になっていて。

 大将も宮崎出身で。もう11年くらいになりますね。」

 

大雪の日にパンプスとミニスカートで訪ねてきた杉山さんに衝撃だった大将・柏田さん。

以来、杉山さんは、大将や女将さんとは家族同然の付き合いを続けています。

 

(杉山さん)

「何も知らないところから色んなことを教わって...

 かさねでも、絵や器を季節ごとに入れ替えていくんですけど、そのたびに色んなことを教えていただきました。」

 

 

”お~い!元気しちょる?”

 

 

親友・松田さんより贈られたKIRISHIMA No.8で、かさねの大将と女将さんと乾杯!

 

 

(杉山さん)

「すっきりしてて飲みやすいです。」

 

(大将・柏田さん)

「これだったら優しいから、普通の前菜でも美味しくいただけそうですね。

 普通よく地鶏とか言うんですけども、優しいお料理で大丈夫ですね。和食にぴったりだと思います。」

 

―――

 

杉山さんのこれからの展望は?

 

(杉山さん)

「日本国内はもちろんなんですけど、海外の展示というのがまだ経験がないので、

 絵とお花で国外でも活動できるように頑張っていきたいと思います。

 あと、やっぱり宮崎出身として、宮崎でも展示ですとか、色々な機会をいただけるように頑張りたいと思います。」

 

杉山さんの個展は福岡でも開催されます。

 

2025年6月28日(土)~7月10日(木)

会場:YUGEN Galley福岡

 

ぜひ足を運んでみてくださいね。

 

 

「宮崎の自然に、乾杯!!」