#49 河野凌太(俳優・モデル)

お~い!元気しちょる?

25年9月3日(水) 20:00

河野凌太さん(宮崎市出身)

 

(河野さん)

「自分が歩んできた人生ではない人生を、役として歩んでいかなくてはいけない。

 自分が今まで想像したこと無いこと、経験したこと無いことを演じるというのは、

 本当に難しいことではあるんですけど...」

 

様々なキャラクターの人生を演じる男性。その素顔とは―――。

 

―――

 

東京、秋葉原近くの撮影スタジオ。

モデル撮影をしているのが、今回の主人公、宮崎市出身の河野凌太さん。俳優、モデルとして活動しています。

 

 

現在、河野さんは、2.5次元俳優として活躍。

”2.5次元”とは、2次元のアニメや漫画等を舞台化したもので、

2次元と3次元の中間的な存在から2.5次元と呼ばれ、人気を集めています。

 

(河野さん)

「キャラクターのモノマネをするとか、そういうことじゃなく、”キャラクターに人間味をもたせる”という意味では

(普通の舞台と)一緒なのかなと思います。」

「ただ、見られる方が多い分、プレッシャーとかしんどさとかはどうしても付き物ではあるんですけど...」

 

 

河野さんは「WIND BREAKER」「ハイキュー!!」など数々の人気漫画の舞台に出演。

さらに、歌って踊るミュージカルや、身体能力の高さを活かした殺陣などのアクションにも才能を発揮しています。

 

―――

 

河野さんを宮崎から応援する人に話をききました。

宮崎北高校の陸上部顧問、稲垣徳文さんです。

 

(恩師・稲垣さん)

「(河野さんは)人前で何か自分を表現するというのは、もう本当に好きだったなと思いますね。」

 

実は河野さんは中学・高校・大学で陸上部に所属。

中学時代は全国3位になり、当時稲垣さんが顧問をしていた宮崎工業高校へ進学し、稲垣先生と出会いました。

 

(恩師・稲垣さん)

「”中学時代に全国入賞した”という生徒を初めてあずかったのが河野凌太くんたちで。

 ”高校でも入賞させなきゃ”という責任が自分でもありました。すごく感覚もいい子だったので...。」

 

しかし、怪我などもあり伸び悩んだ時期もあったという河野さん。

高校最後となったインターハイの110mハードル決勝は、6位入賞という結果でした。

 

(恩師・稲垣さん)

「本人はやっぱり日本一というのを目指していたと思うので、

 もうちょっとやりたかったなというのはあるかもしれませんけど、

 入賞できたというのは本人もホッとしましたし私も、彼が入学したときに”最低でも入賞”というのがあったので

 そこは果たせて良かったねと(思いました)」

 

(河野さん)

「本当に、練習もそうですけど、試合も。先生がどこにいるのか分かるくらい、デッカい声で応援してくれるんですよ。

 中学高校の陸上してる時間は、当時はしんどかっただろうけど、今思えば本当に財産だし、

 やっててよかったなと思います。」

 

―――取材当日、河野さんは自身が出演する舞台の稽古に参加。

 

(舞台脚本/演出担当・原口さん)

「(河野さんは)すごい素敵な、真面目なというか。すごく将来が楽しみです。

 役柄的には保安隊という、戦う役なので殺陣・アクションは見どころだと思います。」

 

舞台では、アクションを期待されている河野さん。この日は納得いくまで殺陣の練習を続けていました。

 

 

(河野さん)

「”アクションができる人”ということで紹介いただいていたので、

 殺陣でご迷惑をおかけするわけにもいかないと思って。」

 

―――

 

レッスン室では、演者仲間と談笑する姿も。

 

(俳優・君沢ユウキさん)「元々アクションとかやってたの?」

(河野さん)「剣じゃないんですけど、実家が道場なので...」

(君沢さん)「え!?そうなんだ!?

       いや、思ったんですよ、俺の代わりに振付やってくださってて、斬り方がすごい綺麗でなめらかで。」

      「道場なんだ...!刀の道場?」

(河野さん)「(実家は)空手でした。なので武道はある程度...。」

 

また、共演者には、河野さんも出演している舞台「ハイキュー!!」を経験した先輩がいます。

 

(俳優・山口賢人さん)

「バレーボールの漫画の舞台を、僕が初演から7作品やらせていただいて、

 僕が卒業したあとに(河野さんが)「ハイキュー!!」に出られていて。」

「稽古が終わってお互い私服になって帰るときに初めて出会って、(河野さんが)下駄はいてて。(笑)

 ”下駄はいてるんですか!?”というのが初めての絡みだったんですけど、

 まさかこの作品になったらご一緒できるとは思っていませんでしたね。」

 

―――

 

稽古が終わったその夜。

河野さんは俳優仲間と一緒に、東京・豊島区にある雑炊専門店へ。

 

 

(河野さん)

「WIND BREAKERという舞台があって、さっきの稽古場でもお話したんですけど、

 下駄はいてる十亀条役の先輩の里中将道くんです」

 

 

河野さんは、里中さん演じる十亀条が下駄を履いていたのに憧れて下駄を履いていたそうです。

 

 

ふたりは、人気漫画の舞台で共演。当時、役者を続けることに迷いがあった河野さんでしたが、

里中さんからのアドバイスで迷いがなくなったそう。

 

(河野さん)「初めてメシ食いに行った時、鬼ネガティブでしたよね?」

(里中さん)「うん。めっちゃ。”俺全然できる気しないっす~”みたいな。”そんなことないって!!”って言って。

       ”自信持てよ!”みたいなことをすごく言って。」

      「たしかに、そう考えたらあの時からだいぶ変わったな。」

 

(河野さん)

「なんか(里中さんの言葉が)響いて。そこからマインドが変わりましたね。

 僕の役者としてもだし、人間としても、変えてくださったというか、支えてくれた先輩です。」

 

(里中さん)

「僕の誕生日の時もゲストで来てくれて。家から下駄で会場まで来てくれた人初めてだったから愛を感じましたし、

 俺の絵を描いてプレゼントしてくれて。家に飾ってるんですけど。嬉しかったですね。」

 

―――

 

恩師・稲垣さんも宮崎から河野さんのことを応援しています。

 

(恩師・稲垣さん)

「競技しながら、舞台役者の道も自分で始めていたので、そういう相談もずっと受けていたので、

 それを今、成し遂げてるので、すごいやっぱり信念もってやっていたんだなと、今思います。」

 

 

”お~い!元気しちょる?”

 

 

宮崎にいる稲垣先生から、霧島焼酎の贈り物。

合言葉は「マックスパワー」!!

 

(河野さん)

「宮崎工業時代、稲垣先生がずっと掲げてたスローガンがあって。それが”マックスパワー”。

 それこそTシャツとかにも書かれたりしていたんですけど・・・。

 あ~マックスパワーがこの歳でも聞けるとは・・・!」

 

―――河野さんのこれからの夢は?

 

(河野さん)

「宮崎の方に、生のお芝居がどれだけすばらしいものなのかを今後伝えていきたいし、

 俳優という職業を決してあきらめなくていいんだよ、夢を持ったっていいんだよということを

 僕よりも下の世代の子たちに自分がモデルケースとなって先陣きって伝えていけたらなと、

 背中を見せていけたら良いなと思います。」