#41 坂梨亜里咲(企業家)

お~い!元気しちょる?

25年1月8日(水) 20:00

坂梨亜里咲(宮崎市出身)

 

今回の主人公・坂梨亜里咲さんは、6年前に女性用のサービスを提供するmederi株式会社を立ち上げました。

 

 

 

(坂梨さん)

「生理に悩む女性が、オンラインで産婦人科の先生に相談して、そのお悩みがピルで解決できるものだったらピルを処方して、最短翌日にご自宅にお届けできるサービスです。」

 

mederi株式会社で提供するサービス”メデリピル”は、女性特有の悩みに特化した医療サービスや薬の処方が、スマートフォン1つで受けられるというもの。

 

 

生理痛や、生理前の心と体の不調を改善できる”低用量ピル”。

これまでは、病院でしか処方されないものでしたが、オンラインで受診・処方できる画期的なサービスを生み出しました。

 

産婦人科の医師およそ40名と提携し、毎月5000人程度の女性の悩みに寄り添っています。

 

(坂梨さん)

「(利用者は)20代~30代の働く女性が多くて、やはり忙しくて産婦人科に掛かれない女性がオンラインで相談してピルを処方されているケースが多いです。」

 

―――

 

6年前、ZOZO TOWNの創設者である前澤友作さんがおこなった起業家への投資企画。

坂梨さんは4000人の候補者から選ばれ、mederi株式会社を設立しました。

優れた女性経営者に贈る賞を受賞するなど、女性リーダーとして活躍しています。

 

女性向けサービスということで、会社には女性ばかりかと思いきや・・・?

男性社員の姿もありました。

 

(取締役・大池さん)

「”女性活躍”っていう社会課題に対して貢献したいという考えの男性も多いですし、サービス自体の受け入れられやすさとかは、男性からみてもあるようには感じますね。」

「(坂梨社長は)熱量とかやりきる力とか、事業に向けるエネルギーとかも人一倍あるので、魅力的な社長なんじゃないかなと思います。」

 

そんな、”エネルギッシュ”だという坂梨さんは、宮崎市出身。

子どもの頃からモデル活動をおこない、高校生の時の夢はアイドル。

 

(坂梨さん)

「安室奈美恵さんに憧れていて、とにかくアイドルになりたかったです。(当時は)社長になりたいなんて一回も思ったことなかったですね」

 

当時の坂梨さんを知るのは、母校である宮崎南高校の那須校長。

 

(那須校長)

「坂梨さんは、文化総合課といわれる、現在のフロンティア課の2期生なんですよね。私はその文化総合課の副担任でした。」

 

宮崎南高校は、創立50周年を機に女子の制服をリニューアル。

なんとその際に着用モデルになったのが、坂梨さんでした。

 

 

(那須校長)

「(当時の坂梨さんは)あまり目立つ子ではなくて、どちらかというと目立つ子の後ろでついていくような(生徒だった)。ただ、決めたことには行動力がありましたね。」

 

持ち前の行動力を発揮して設立した会社。その背景には、自身の経験が活きています。

 

(坂梨さん)

「私が26歳のときから不妊に悩んでおりまして、トータル7年間、お金も時間もかけてきてもなかなか授かれないっていう経験をしたんですね。そこから、自分の中では、そういうことを学校で学ばなかったなとか、もっと早く知ればよかったという情報が非常に多くて、それを提供できるような事業をしたいというのが始まりで起業しました。」

 

7年間の不妊治療を経て、昨年、待望の女の子を出産。

現在は、子育てに奮闘しながら働くママです。

 

(坂梨さん)

「ずっと不妊治療をしていたので、生まれたときはすごい嬉しかったし、子どもの成長が著しいので、私も頑張って経営者として成長しなきゃなって、癒されつつ元気をもらっている感じです。」

 

そんな坂梨さんのポリシーは”行動力”

こんなところでも発揮しています。

 

(坂梨さん)

「(低用量ピルなどの良さをわかってもらうために)私たちだけが頑張っても全然浸透しないので、起業単位で賛同してもらって、一緒に活動していくことが大事だと思って(企業訪問を)はじめました。」

 

普段は個人を相手にしたサービスですが、最近では福利厚生としてmederiピルを導入する起業も。

坂梨さん自ら出向くこともあります。

 

今回訪問したのは、ドン・キホーテでおなじみの、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。

およそ2年前から福利厚生としてmederiピルを導入しています。

 

(PPIH取締役兼執行役員・二宮さん)

「月経によってパフォーマンスが落ちているのであれば、そこは会社ができるだけフォローしたいというメッセージが伝わればいいなと思っていますし、これをきっかけに女性自身が体のことを考えてキャリアプランを考えてほしいと思っています。」

 

働く女性の味方として寄り添うサービス。

ほかにも、多くの企業が興味を示しているんだそう。

 

(PPIH取締役兼執行役員・二宮さん)

「やはり起業されて、トップに立ってやられている方はすごく尊敬していますし、勇気と実行力がないとできないことだと思います。プレッシャーもひとりで抱えるものも多いと思うので...応援してます。」

 

―――

 

12月。都内の中学校に、坂梨さんの姿がありました。

この日は出張授業。およそ600名の生徒が、真剣に話をききます。

 

自身の経験から、少しでも早く自分の体について考えてほしいと授業をおこないます。

 

(坂梨さん)

「いろんな生き方があると思うんですけど、そのいろんな選択をする中での一つの参考としていつか思い出してもらって、”私はこういう人生を歩みたいな”って前向きに選択できるといいなと思います。」

 

(授業を受けた生徒)

「お話をきいて、もっと自分の事を考えてしっかり向き合っていこうと思いました。」

「成長は人それぞれだし、栄養バランスや適度な睡眠をとって、自分の体と向き合って行きたいなと思いました。」

 

(宮崎南高校・那須校長)

「社会の中で必要とされる人になってほしいというのは、やっぱり南高校の目標でもあるし、社会で活躍できるリーダーになるということは嬉しいですよね。」

 

 

”お~い!元気しちょる?”

 

 

恩師である那須校長より、坂梨さんへ霧島焼酎のプレゼント。

 

 

添えられた紙は、”宮崎南高校出身の著名人”をまとめたもの。

俳優の堺雅人さんやアナウンサーなどに並んで坂梨さんの姿もしっかりありました。

 

那須校長のビデオメッセージを観て、思わず涙がこぼれます。

 

(坂梨さん)

「高校卒業してから、大学、社会人と色んなことがあったんですけど、やっぱり学生時代を知る方に応援の言葉をいただけるのはすごく嬉しいなと、今感動しています。」

 

女性の一生涯に寄り添いたいと話す坂梨さん。

今後の目標は?

 

(坂梨さん)

「女性の人生に、点ではなく線で寄り添っていきたいという想いがあるので、”その先”の、妊娠出産を希望される方に向けてのサポートだったりとか、次は更年期症状に悩む女性へのサポートだったり。女性の健康課題はライフステージによってさまざまなので、すべてに我々が寄り添えるようなサービスを作っていきたいと思います。」