県内も地盤のゆるみジワジワか

ノダっち

21年8月16日(月) 16:44

心配した大雨が
九州北部などで発生してしまいました。

休みの間、
ずっとレーダーを見ていましたが、
雨雲の状況はホントに怖かったです。

あれだけキキクルの濃い紫に
塗られた地図もなかなか見ません。

この要因は、
まさに梅雨末期にあるパターンです。

オホーツク海高気圧と
太平洋高気圧が拮抗して張り出して、
梅雨前線の南北の動きが鈍くなっています。

いまが梅雨末期の時期なら、
珍しくはないのですが、
秋雨前線の時期にこんな状況になったのは、
私が気象予報士になって20年では
初めてです。

この夏は、
エルニーニョも
ラニーニャも発生していなくて
異常気象が起きやすい状況ではないものの、
太平洋高気圧が北に偏ったり、
この時期に梅雨末期的な状況が出たり、
普通ではないと感じています。

これが温暖化などの気候変動と
関連したものなのかどうか、
気がかりです。


宮崎県内も、
雨が降ったり止んだりしていて、
時々雨脚も強まって、
ジワジワと総雨量が増えています。

とはいえ、えびの高原では
1週間かけて1000ミリ降ることは
時々あることですので、
やはり、実効雨量と呼ばれる
土砂災害の危険度につながる
地面の中にあると推定される雨の量が
重要です。

実効雨量では県内の南部山沿いで
1か月分くらいの雨が
地面に入った状態と推定されます。

野田が、休みを切り上げて
出社しないといけないほどに
県内が危険な状況と
厳重な警戒を呼び掛けるほどに
ならかなったのは助かりました。

ただ、この
地盤が緩みやすくなった状態のところに
24時間でさらに一ヶ月分の200ミリ超の
雨が降るなどしてくると、
一気に危険度が上がることが心配です。

ということで、
キキクルを見てください、
と言いたいのですが。。。

大事な時に、アクセス集中で
見にくい状態になっていました。

1億2千万人が同時に見ても
不安定にならないくらいの
システムにしてもらえないと
困りますよね。

そこで、、、
宮崎県が運営している
土砂災害警戒システム
ご紹介しておきます。

キキクルの土砂と
基本的には同じ情報を見ることが出来て、
よりマニアックな情報も閲覧可能です。

キキクルが見えにくいときは
こちらもご活用ください。

また、MRTのホームページは
現在大雨モードになっていて、
こちらでも土砂災害の危険度分布
(基本的にはキキクルと同じ情報)を
見ることができるほか、
上記の件の土砂災害警戒システムを含む
各種リンクも便利です。

気象庁のホームページは
命を守るための情報が出ていますので、
そのつもりで、ちゃんと整備されることを
強く望みます。


きょうは、秋雨前線が
九州南部付近に南下していて、
県内にも
所々に発達した雲も流れ込みました。

ただ、夜にかけては
前線上の低気圧が近づくことで、
次第に北上する予想で、
あすは、
九州北部付近に再び伸びそうです。

再び九州北部で
大雨になることが懸念されていますが、
一部の資料ではその傾向が弱く、
低気圧の南側の
九州南部付近での雨の強まりを
予想しているものもあります。

県内でも、あすも、
雨の強まりを警戒して、
最新の雨の様子や危険度分布を
確認するようにしておきましょう。

特に雨が強まった時は
土砂災害の発生には
引き続き要警戒です。

また、土壌雨量が高いときは、
河川も増水しやすい状況ですので、
増水している川岸には
近づかないようにしましょう。

あさってになると、
前線が九州の西でやや南下してくる予想で、
週後半にかけては、
気圧配置の状況は変わってきそうです。

九州北部よりも
南部で強まりやすいタイミングが
増える可能性もありますので
今週も最新の予報をご確認ください。

週末には、南の太平洋高気圧が
強まってきそうな資料があります。
強まっていけば、
来週前半には夏らしい空が
戻ってくるのですが・・・

210816_1
河川敷ぎりぎりまで
増水していた
宮崎市の大淀川
210816_2
日曜日の夕方に
雨が弱まった時間に散歩すると
河川敷に
枝がたくさん上がっていて、
一時的に河川敷まで
川の水が上がったことを
伺わせました。
210816_3
木曜日に判定された
線状降水帯

赤線で囲まれた楕円は
大分県に
しっかりかかっていますが、
大分県には
線状降水帯情報が出ませんでした。

先日のえびのと同じパターンです。

この情報も、
改善してほしいと願います。

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