梅雨明けは発表されましたが・・・

ノダっち

21年7月12日(月) 16:59

明けましておめでとうございます。

週末に予想していたよりも
一日早く昨日、気象庁が
九州南部の梅雨明けを発表しました。

ただ、きのうの今日も、
予想通りに雨が降っています。

上空に冷たい空気があって
まだ太平洋高気圧が
本気を出していない
(本格的な強さで
 覆ってきていない) ため、
先週と変わらず
不安定な天気になりやすいのです。

ただ、
先週との違いは
天気図上から梅雨前線が
徐々に姿を消す点でしょう。

きのうから、九州付近では
不明瞭になってきています。

また、不安定な天気が続く中で
どのタイミングで
梅雨明けを発表するかな?
という注目もありましたが、
土曜日に大雨の恐れがあったために
梅雨明け先週は発表が出来なかった、
とも解釈できるでしょう。

気象庁の梅雨明けの発表には、
防災的な観点があると思います。

とはいえ、今年の場合は
防災的にも
完全に解き放たれて無さそうなのも
少し気がかりです。

8月終わりの
梅雨の見直しにおいて
どう発表されるかも
注目しておきましょう。

現段階での発表をもとにした
梅雨の期間は、
梅雨明けが平年より4日早かったものの、
梅雨入りが早かった影響で
梅雨の期間としては
平年より15日も長くなりました。

また、梅雨の期間
(5月11日~7月10日)の降水量は、
平年より多くなっています。
とくに、5月と、最後の梅雨末期の
土曜日の大雨が引っ張ったと思われます。


土曜日の大雨は、
前日の段階であそこまでの大雨は
予想されていませんでした。

これは今の技術では難しいのです。

ただ、
以前も沖縄での大雨の時に書いたように、
梅雨前線の南側、前線から
少し離れた所で起きた点は、
起きてもおかしくない
危険な場所で起きたといえるでしょう。

各地で大雨になっているのと同じで
そのパターンで起きています。

しかも、上空に寒気が入ったことで
雨雲が発達しやすくなった
こともありそうです。

また、
強い雨雲の予想がなかったとはいえ、
金曜日のOAで解説したように、
激しい雨程度にはなるくらいに
湿った空気と雨雲の予想が出ていました。

そんな中で、
当日の南部山沿いは、
金曜日の夜遅くから
かなりの数の雷を検知していて、
未明からは
さらにそれが強まったと思います。

雷が鳴っているということは
発達した雨雲があることを示していて、
しかもそれが何時間も続くのは、
異常な雨の降り方のサインです。

あれだけの雷が鳴っていてたら、
おそらく雷の音で
目を覚まされた方も、
けっこういらっしゃるでしょう。

このような状況になっていたら、
先日からご紹介しているキキクルで
まずは危険度を確認してください。

また、土砂災害警戒情報が
出ていないかどうかも確認しましょう。

そのような状況があったら、
キキクルの紫色が広がる前に、
安全を確保するようにしてください。

今回、県内では初めて
大雨の特別警報が出ましたが、
今回の特別警報は
浸水害に対する特別警報でした。

つまり、この特別警報が出た段階では
もうすでに、低い土地で
浸水が起きている可能性が高いもので、
低い土地では、
移動が困難な状況になっていたと思います。

浸水の特別警報が出ていた場合の
命を守る方法は、
より高い場所に移動することです。

が、家の外がすでに冠水などがあれば
水平に移動することによって
命の危険にさらす恐れがあります。
冠水している道路に
突っ込んでいってはいけません。
ですから、この場合には、
家の中のより高い場所に移動する
垂直避難で身を守ることが必要です。

一方で、土砂災害警戒区域では
浸水が起きにくい場所だと思いますので、
特別警報より先に出されていた
土砂災害警戒情報がありましたので、
安全な場所に
身を移すことが必要になっていました。

その際には、
冠水しているような場所を避けて
移動することが必要です。

そういう意味でも、
異常な雷を体感した時点で
随時危険度を確認して
早めに移動して安全を確保しておくことが
必要になります。

特別警報は、
随時運用方法が変わっていて、
今回は、その変更によって
初めて県内に出たものにもなりました。

空振りもありますが、
我々の命を守るために
出されている情報です。

何か起きてからでは遅いので、
まずは今回も大丈夫、と思わずに
キキクルの紫が出る前に、なるべく早めに
安全確保の行動に移すように
習慣づけていただきたいと思います。


不安定な梅雨明け2日目の今日も
あちらこちらで雨が降っていて、
雷が鳴った所もありました。

宮崎市内も、
昼頃から雷雨になった所があり、
高校野球も中断しています。

ただ、不安定になった分、
先週よりも暑さがマシです。

梅雨明け発表前の方が
キケンな暑さになって、
梅雨明け後のほうが
暑さがマシというのは
何とも皮肉で・・・

マシというだけで、
もちろん、
熱中症には注意が必要な暑さです。

それでも、明日以降も
先週ほどではありません。


あすも、広く晴れますが、
午後は
所々でにわか雨や雷雨がありそうです。

ただ、上空の気圧の谷や
高気圧の強さからすると、
今日よりも晴れやすいでしょう。

その分、暑さが強まる可能性もあります。

晴れていても、
急な雷雨にはご注意ください。


少なくとも木曜日にかけては、
上空の寒気の影響もあって
急な雷雨に注意が必要でしょう。

一方、金曜日以降は、
東から湿った空気が入りやすくなり、
それによって
にわか雨が
起きやすくなる可能性があります。

これは、高気圧の強さ次第です。

もう少し様子を見ましょう。

来週の後半は、
太平洋高気圧が本気を出して
強まりそうな資料もあります。

210712_1
大雨から梅雨明けの
天気図の変化

左上が
大雨になった
10日未明、
右上が
梅雨明けが
発表された
11日正午
210712_2
10日午前3時20分の
気象庁HPによる
雨雲の様子
(スマホ画面)

赤い楕円の線は
線状降水帯と
判定されたことを
示しています。

宮崎県内にも
かかっていました。

ただ、
県内に線状降水帯発生情報は
出ませんでした。
おそらく、
土砂キキクルにおける条件が
自動判定基準に
達しかなかったのだろうと
推測されます。

ただ、加久藤や小林は
たった6時間で
平年の7月1か月分の
4割を超える雨が降りました。
210712_3
太平洋高気圧の
存在を感じた
土曜日夕方の空と
増水した大淀川

ただ、今年の梅雨は
一度も河川敷が
冠水するほどの
増水はありませんでした
210712_4
金曜日の夕方は
虹祭りだったようです。

税田記者撮影の
二重虹

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