台風17号一過

ノダっち

19年9月24日(火) 17:51

台風本体による影響は、
強風域に入った程度でしたので
そこそこのものでしたが、
付随した影響が大きかったですね。

大型の台風だと、
この付随した影響が
しばしば大きくなってしまいます。

まず土曜日は、台風によって
活発化した秋雨前線により、
宮崎市が奇襲を受けました。
非常に局地的に発達した雨雲が
かなりゆっくりと移動したため
宮崎市で1時間の
解析雨量が120ミリ以上となり、
記録的短時間大雨情報
発表されています。

この時間帯、
午前8時53分までの一時間に、
宮崎空港では、
109.5ミリという猛烈な雨も
実測されています。

この大雨で
宮崎市内のあちこちで
冠水が発生しました。

雨が弱まった後は
すぐに冠水が解消しましたが、
これは、
ピンポイントな雨雲でしたので
主要河川が水位上昇する前で
雨が弱まった後は
順調に排水されたのでしょう。

その後、土曜日の夜からは
宮崎市の高岡付近から
綾・国富付近を通って
西米良付近に延びる
細い線状降水帯
形成されていました。

とくに初めは
発達した雨雲が出来ていたため
急速に危険度が上がって
土砂災害警戒情報も発表されています。

この線状降水帯は、
翌日になっても
あまり動かなかったものの、
降水帯の中の強い雨雲が減ったため、
大きな災害にはつながらずに
済んだのでしょう。

一方、台風が鹿児島県の
西まで進んできた日曜日の朝に、
延岡での
竜巻による突風被害が出ています。

延岡での突風被害というと
2006年の台風13号でも
大きな被害が出たことを
記憶されている方も多いでしょう。

被害の規模は
2006年のほうが大きかったですが、
今回も同じようなコース
竜巻が通ったようです。

同じようなコースということは
同じような場所にできた原因が
何かあるということかもしれないと思い、
少しこの竜巻の発生について
考察してみます。

その時との状況を比べると、
台風の勢力は
台風13号のほうが強く、
また台風自体も
県内に近い所を通ったため、
13号の時には
台風そのものによる
県内各地への風の影響も
もっと大きいものでした。
(画像欄参照)

ただ、台風の位置は
鹿児島県の西という点が同じです。

台風の進行方向の右側前方は
竜巻を発生させることのある
スーパーセルと呼ばれる
発達した積乱雲が出来る
大気の条件がそろいやすい場所とも
いわれています。

また、台風がこの位置にあるときに、
延岡には南東からの風が吹きやすく
今回も午前8時半の延岡のアメダスは、
南東のやや強い風を観測していました。

そして、その風上なる
延岡市の南東には
遠見半島があります。

竜巻の発生には、この半島の存在も
影響しているかもしれません。

竜巻は、
発達した雨雲の下で発生しますが、
すべての発達した雨雲の下で
発生していません。

強い上昇気流を伴う
発達した雨雲に加えて、
回転する風が必要です。

この回転する風のもとが
遠見半島によって
生じているかもしれません。

海の上を吹いてきた風が
何かにぶつかると
その風下には渦が出来ます。

そこまで
きれいな渦ではないかもしれませんが、
イメージとしては
以前、この日記やOAで紹介した
カルマン渦のようなものです。
こちらなど)

まとめると、
遠見半島に風がぶつかって
弱い回転のある風が
出来た可能性もあるのではないか、
発達した積乱雲がここを通過し、
竜巻の発生に
つながってしまったのではないか、
と考えています。

今回は、延岡での
発生のパターンについて
考えてみましたが、
いずれにしても、
県内での竜巻発生要因は
圧倒的に台風によるものです。

今後も、台風が
南や南西から接近してきているときには
竜巻の発生リスクも
セットで考えておきましょう。

とくに、
平野部で発達した雨雲が出来ていて、
台風の中心が
鹿児島県の南~西のエリアにあって
県内に南東や東風が
強く吹き付けやすい時には
要注意です。


そして、
竜巻が感じられたりしたら、
まず身を守る行動が最優先です。
頑丈な建物の中などに避難する、
そして、
窓ガラスから離れてやり過ごすことを
優先してください。

時間的な猶予があれば、
カーテンや雨戸も締めましょう。

風圧で窓ガラスが割れるだけではなくて
飛来物で割れることもあります。

すでに物が飛んでいるのが見えたら、
カーテンを閉めるのもあきらめて
とにかく、窓のない部屋などに
避難するのも良いでしょう。


夕方には雨の峠を超えて
夜には、宮崎市上空に
星も見えてきていました。

ただし、夜にかけて
台風との距離が近くなったため、
風は夜にかけても強かったですね。


月曜日には、台風一過
キレイな秋晴れの朝になりました。

午後になると
湿った空気が残っていて
雲が増えてきて、
一部に弱い雨雲もかかりましたが、
日中に大きな崩れは無かったですね。

月曜日を
運動会の予備日にしていたところは
しっかり開催できたと思います。

夕方から夜にかけて
次第に雨雲が増えて、
今朝にかけて
雨雲が各地にかかったものの、
きょうの日中は、
再び各地で青空が広がってきました。

日差しは暑いですが、
日かげで感じる風は秋ですね。

さて、今夜遅く、
あすに日付が変わってすぐに、
H2Bロケットの打ち上げがあります。

先日、急遽延期された
打ち上げの再設定です。

打ち上げ時刻は、
25日午前1時5分5秒
発表されています。

晴れ間が広がってくれれば、
月も暗めですので、
南から南東の空に
宇宙に上がっていうオレンジの光が
しっかりと見えることでしょう。
(県内では、打ち上げ時刻から、
数秒から数十秒遅れて
見え始めると思います。)

きょうの午後も、
資料よりも
晴れ間が多くなっていますので、
期待してみます。


あすは、引き続き
午前を中心に広く晴れそうです。

午後のにわか雨も
一部に限られるでしょう。

ただし、
等圧線の形的には、
県内の沿岸に
北東からの湿った空気が
入ってきやすい形になりそうです。

このため、
北からの高気圧の張り出しが弱いと、
南岸を中心に東からの湿った空気で
分厚い雲がかかる可能性もあります。


湿った空気は明後日にかけて増えて、
それによって
雲も徐々に増えそうです。

あさってにかけての晴れ間は、
有効に使っておきましょう。

週末は、また夏の太平洋高気圧が
上空で強まってくる予想で
秋雨前線は九州よりも北に行き、
県内に夏側の空気も
入ってくる可能性もあります。

ただ、地上の気圧配置は
もう明瞭な夏型ではありません。

このため湿った空気の影響もあって
不安定な空模様になりそうです。

晴れ間がある中での雨かもしれませんが、
この週末の行事にかけても、
最新の予報の見解をご確認ください。

運動会などでは
熱中症に警戒が必要な
蒸し暑さになる可能性もあります。


190924_1
2006年に
延岡に竜巻をもたらした
台風13号の進路と勢力、
及び、
今年の台風17号の進路と
勢力の比較

なお、2006年の13号は
図中に示した15時の前、
正午の段階では
中心気圧が945hpa
最大風速45mの
非常に強い勢力でした。

(元図は
気象庁HPより)
190924_2
22日午前8時10分
から午前8時40分の
雨雲の様子

日向方向から北上した
発達した雨雲が
遠見半島を通過して
延岡市に入っています。

この発達した雨雲により
竜巻が発生したのでしょう。
ただ、日向では
竜巻の方向くはないようです。

そうすると、
日向から延岡の間で
雨雲の中に
回転が出来るきっかけが
あったのではないかと
思います。
190924_3
きのうの昼ごろの
MRTから南の空

キレイな秋晴れでした。
190924_4
集中豪雨により
冠水が発生した
土曜日の宮崎市の道路

(視聴者提供)

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