台風18号一過

ノダっち

17年9月18日(月) 17:14

2段階の雨のピーク」と
お伝えしていた雨は、
1段目、2段目共に
かなり痺れるものになってしまいました。

被害にあわれた方には、
お見舞い申し上げます。


1段目は、
台風とともに北上してきた
熱帯由来の空気により、
秋雨前線が活発化したものです。

とくに、鰐塚山への
風の吹付効果もあったのでしょう。
宮崎市南部地域や田野付近で
16日の明け方から
急速に雨量が増えました。
とくに朝にかかって
次第に北上した雨雲が強烈で、
市内のあちこちで
冠水も発生しています。

また、
土砂災害の危険度も高まったり、
河川が増水したりして、
避難情報も出されました。

その後、午後には
一段階目のピークを超えて
小康状態になり、
夕方には西の空に
雲の切れ間も見えたり、
いったん穏やかにも
嵐の前の静けさにも
感じられたでしょうか。

一方、台風18号の本体は
東シナ海を東に進みながら
雲の形が少し崩れてきて、
中心気圧は965ヘクトパスカル、
最大風速35mの強い台風として
九州に接近してきました。

上陸前には、
「強い」も取れるくらいに
勢力を落としたのですが、
第二段目のピークの
台風を取り巻く
活発な雨雲が流れ込んだ時に、
あちこちで突風が発生したようです。

状況的に、
台風本体の力による
強風の被害ではなくて、
台風を取り巻く発達した雨雲の下で
発生した突風ではないかという、
印象を持っています。

国富では、
17日午前4時52分までの1時間に
81.5ミリと、
観測史上最大となる
猛烈な雨を観測していて、
突風が発生させたのは、おそらく
この雨を降らせた雲と同じでしょう。

改めて、発達した雨雲の下は、
雨そのものによる被害だけではなくて、
突風による被害にも
注意が必要ということを
しっかりと心に刻みたいと思います。
県内では、とくに台風時、
しかも台風が県内より少し南にある時に
発生しやすい傾向です。

(これは、このタイミングで
 県内に発達した雨雲が
 入ってきやすくなるためで、
 台風を取り巻く何本かある
 渦巻の太い雲の帯が入ってくる
 タイミングになるためでしょう)

また、台風がなかなか速度が上がらず、
金曜日に予想された進路の中心線のように
県内の西側を通るのではなく、
県南部付近を通って日向灘に抜ける
コースを通りました。

この影響で、県内には
台風の北上とともに
東から活発な雨雲が次々と流れ込み、
各地で浸水などの被害も出ています。

とくに、県北部では
各地で河川が増水しました。

県の雨量計では
五ヶ瀬町の飯干峠で
13時までの1時間に100ミリという
猛烈な雨を記録したほか、
大分県に向かって
発達した雨雲がかかりやすくなり、
12時間で200ミリという
危険な大雨になったり、
3時間で130ミリ前後の雨が降り、
3時間値の記録を更新した所があるなど、
一気に雨量が増えたことが
原因でしょう。

台風を回る南東風が
大分との県境の山に吹きつけて
雨雲が発達しやすくなったのではないかと
思われます。

これにより、県内よりさらに、
大分県では大きな災害になりました。
北川で、越水ギリギリまで
水かさが増したのも、
この影響もあるでしょう。

北川流域でも浸水が発生したものの、
去年の台風18号の時に比べると、
延岡市内での雨量は少なめでした。

延岡のアメダスによる、
正時ごとの6時間雨量の最大値は、
去年が285ミリだったのに対して、
今年は、124.5ミリでした。
一方、宇目での
正時ごとの6時間雨量の最大値は、
去年が175.5ミリで、
今年が235ミリとなっていて、
今回の18号では、より上流で降った雨の
影響が大きかったのでしょう。
県の雨量計でも、
大分との県境に近い地点で
6時間雨量が
200ミリを超えた地点もありました。

さて、ちょっとココで
課題も見えてきます。

我々は、雨量の予想については、
気象台が発表した数字でもって
お伝えしなければいけないのですが、
気象台からは、6時間で降る雨や
3時間で降る雨の情報は発表されません。

きのうの明け方の情報発表でも、
きょう朝6時までの24時間雨量が
250ミリと発表されていました。
ただ、実際には、24時間ではなく、
ほとんどが夕方6時までの
12時間で降る雨だったでしょう。

であれば、
そう発表していただきたいですし、
そう伝えたいです。
しかし、24時間雨量で発表されると、
そう伝えないといけません。
もちろん、
気象予報士の解説では補足をしますが、
ニュースの中などでは、
そのまま伝えることがほとんどです。

24時間で200ミリ降るのと、
12時間で200ミリ、
もっというと、
6時間で200ミリ降るのでは、
意味合いが全く違います。

6時間で200ミリってことは、
それが24時間続いたら
24時間雨量は800ミリになる勢いです。

どれだけ危険な降り方か分かるでしょう。

もっと現代の雨の降り方に即した、
情報発表に進化していただきたい
思いますし、
そこをうまくお伝えできるように、
私も精進したいと思います。


しかし、不幸中の幸いで、
命を落とされた方が
いらっしゃらなかったのは
少しホッとしました。

また、今回は
第一段の雨の影響もあってか、
積極的に避難をされた方も
多かったようです。

転ばぬ先の杖という言葉が
適切かどうかわからないですが、
大きな災害因子を迎えうるうえで
事前に安全な場所に
身を寄せておくというのは、
身を守る手段になると思います。


さて、台風が東に抜けてきた
きのうの夕方から
南部から次第に天気が回復してきました。

きょうは、各地で
台風一過の青空が広がっています。

連休最終日になって、
お出かけ日和になりましたが、
台風の後片付けに
青空を使われた方も
いらっしゃったでしょうか。


あすも晴れるでしょう。

時おり秋らしい薄い雲が
かかるくらいになりそうです。

内陸を中心に
朝と昼の寒暖差が大きくなります。
このあたりにも、
秋らしさが感じられるでしょうか。

あさってには、
厚みのある雲が増えそうです。
週後半は、秋雨前線が
どう伸びてくるのか、
低気圧が通過するなど
活発化するのかによって
雨が降るのかどうかも
変わってくるでしょう。

新しい予報でご確認ください。
170918_1 きょう昼前の
台風一過の
スッキリ青空
170918_2 きのう夕方の
増水した大淀川

東の空の夕焼け
170918_3 同じく
増水して市役所下の
駐車場も冠水した
大淀川と
西の空の夕焼け
170918_4 土曜日朝の
線路下の
アンダーパスが
冠水

激しい雨が
降ってきたときは
このような現象に
注意が必要です。

ココは浅いので
この車は
通過出来ましたが、
タクシーが
立ち往生していました。

下手に突っ込むと
エンジンに水が入ると
止まってしまい、
立ち往生し、
危険になりますし、
ほかの車にも
迷惑がかかるなんて
事態もあり得ます。

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