予測できなかった要因に悩みます

ノダっち

24年10月23日(水) 18:00

見逃しによる大雨災害は
とても心が痛いです。
 
昼の南部平野部の線状降水帯も
予測できていませんでしたし、
夜の、延岡での大雨も
予測できませんでした。
 
昨夕時点の各種コンピュータも
夜には雨雲が抜けていき、
県内の雨は弱まる予想でしたが、
実際には、深夜まで
延岡付近に集中的に
発達した雨雲がかかってしまい、
災害が発生しています。
 
すでに地盤が緩んでいて
弱い雨でも
土砂災害が起きて
おかしく無い状況だったので
安全確保はお願いしていましたが、
予想以上に、発達した雨雲がかかり
非常に危険な状況になってしまいました。
 
きのうは、すでにお伝えしていた通り
夏レベルの南東からの雨雲の素の
暖かく湿った流れ込みがあり、
さらに前線が南下してきていたため
雨雲が発達しやすい状況で
南東からの風と、
前線南側の南風が合流して
発達した雨雲が発生したように見えます。
 
専門機関でも詳細な分析を
お願いしたいですが、
予想よりも発達した雨雲が
延岡付近にかかってしまった要因を
簡易的に手元の資料で分析すると、
南東からの風が予想よりも強くて
雨雲が海上に
抜けにくくなったように見えました。
 
前線の動き(上空のものも含む)とともに
強雨域も東進する予想でしたが、
南東の風が強かったため
東に動かす力が弱まったのか?
という推測です。
あくまでも、ノダの簡易的な分析ですので
もっと詳細に分析されると
違う見解もあるだろうとも思いますので
その点はご容赦ください。
 
海上の風や湿った空気の観測は
実況の詳細データが無いため、
コンピュータの予測のズレを
生みやすい要因にもなります。
 
これは、なんとも難しい課題です。
 
梅雨時期に、東シナ海側で
線状降水帯の見逃しの要因の
一つにもなっています。
 
そもそも、線状降水帯の予測の発表も
今後、どうなるのかも
来年以降に向けても注目したいです。
 
線状降水帯の予測は
見逃しと空振りが多すぎる中で
どう伝えて行けばよいか、
非常に難しい課題になっています。
 
夜の延岡のように
線状降水帯にならなくても、
災害を起こす大雨になることを考えると、
その形状に拘らずに
「顕著な大雨」というワードなりでも
いいかもしれません。
 
 
昨夜の延岡では
解析雨量で120ミリ以上の
キロクアメの発表も
2回ありましたが、
とくに北浦町の古江で
22:23までの1時間に114ミリという
猛烈な雨を実測していて、
24時までの3時間雨量は
224.5ミリと
非常に危険な数値になっていました。
 
1か月分の雨が
たった3時間で降ったのです。
(古江の10月は201.2ミリが平年)
 
さらに、解析雨量では
3時間300ミリという、
災害発生確率の高い雨にもなって、
これだけ降ると、
キキクルでも「黒」が出ていました。
 
この黒が出ると、
かなりの確率で災害が発生します。
 
河川の近くや崖の近く
(浸水想定区域や土砂災害警戒区域)は、
黒が出る前に
安全を確保することが大切です。
 
予測の不確実性という
難しい課題と向き合って
これからも出来るだけ
被害が抑えられるように
情報をお伝えできるように
努めたいと思います。
 
どうか、さらに
これ以上の被害になりませんように・・・
 
 
なかなか大変な雨が降りましたので、
地面の中の雨は簡単に抜けません。
 
土砂災害は
雨が止んで弱まってから
時間差で起きることがあったり、
次のちょっとした雨などのきっかけで
起きることもあります。
 
地震と同じで
四六時中警戒して生活するのは難しいですが、
気象庁からの注意報が発表されている間、
とくに
土砂災害警戒区域に指定されている場所では
せめて安全を優先していただきたいです。
 
 
きょうは、前線も抜けて、
一時的に秋の空気を持つ高気圧に覆われて
朝から広い範囲で晴れました。
 
ただ、
前線に近い南部平野部や
西風の風の吹き付けの雲がかかった
山沿いでは雲が多くなった所もあります。
 
秋の空気合が入ったので
朝は涼しい風も感じましたし、
日中も日差しが少なかった所は
高千穂や鞍岡が21度前後で
秋らしさが感じられたでしょう。
 
一方、
日差しが多くなった地域は気温が上がって
美郷町神門で30.9℃、
西都で30.4℃、
宮崎で29.6℃、
延岡で29.4℃まで上がりました。
 
神門や西都は、
最も遅い真夏日を更新です。
 
西からの風の影響もあって、
気温が上がったと思われます。
 
洗濯物は、よく乾いたでしょう。
 
 
あすは、
南に抜けて隠れた前線が
再び活動を明瞭にしつつ
北上傾向になりそうです。
 
北部を中心に晴れ間が残るものの、
南部から次第に雲が分厚くなって
午後は雨が降り出してくるでしょう。
 
きのうの雨が抜けきらない状況で
雨が降ってきますので、
雨が少し強まっただけでも
危険度が上がりやすいです。
 
崖の近くにいらっしゃる方は、
自分のいる場所の安全性について
頻繁にキキクルをご確認ください。
 
土砂災害もですが、
地面にたくさん水がある時は
河川の水位も上がりやすいので
とくに反応が早い
中小河川の増水にもいつも以上に
注意しておきましょう。
 
河川が増水すると
そこに流れ込む側溝などがある場合、
低地の浸水もしやすくなります。
 
 
あさっては、
前線の位置の予想が非常に微妙です。
 
また、東風の吹き付けがどのくらいかで、
雨の降る降らないが変わるでしょう。
 
前線は、九州より南に予想されて、
前線から遠い北部を中心に
晴れ間が広がりそうですが、
南部ほど雲が分厚くて、
平野部で雨が降る可能性があります。
 
土曜日も、
主に東からの風の吹き付けでの雨が
予想されていて、
どのくらいの雨になるか、
予測が難しいです。
 
やや発達するす資料もありますので、
今回の雨が抜けきらない状況でもあるため
最新の予想の確認と
気象台からの情報の確認をお願いします。
 
金曜日以降の予想については、
あすの予報でも
ぜひまたご確認ください。
 
きょうの段階では
まだ難しいです。
 
 
なお、26日に予定されていた
H3ロケットの打ち上げは
30日に延期されています。
 
天候の影響かな?と思ったら
機材トラブルのようです。
 
天候的には、
30日でも、県内からの観測は
難しそうに感じます。
 
そもそも、打ち上げが出来るのかも含めて
注目してまたお伝えします。
241023_1
昨夜22時半までの
延岡付近の
3時間解析雨量
(気象庁HPより)

海上主体ですが、
3時間で300ミリという
非常に危険な雨が
降ったと思われます
241023_2
昨夜22時20分までの
延岡付近の
1時間解析雨量
(気象庁HPより)

「120+」
という表示は
120ミリ以上を意味します。

かなり危険です
241023_3
昨夜22時50分の
土砂キキクル
(気象庁HPより)

黒が出ると
かなりの高い確率で
どこかで災害が
発生してしまいます
241023_4
けさの
宮崎市の青空

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