朝は秋、昼は夏、まだまだ夏

ノダっち

12年9月4日(火) 17:23


多雨で日照時間の少ない夏でした、
と、きのう、
気象庁からこの夏の統計結果が
発表されました。
     
みなさんも感じられているとおりでしょう。
    
何度も書いているとおり、
県内の場合は、
梅雨が梅雨らしい梅雨になりすぎたこと、
そして、梅雨明け後も、
夏の太平洋高気圧が
北や東に偏って張り出したこと

原因だと思います。
    
九州南部付近は高気圧の南側になったため
県内に東から湿った空気が入りやすく、
亜熱帯のような天気が続きました。
    
これもこの夏、何度か書いたように
この高気圧の北偏によって
県内でスコールのように
にわか雨が起きやすい天候は
ここ数年続いている傾向です。
    
単に日照時間や雨量を
平年値と比べるのではなくて、
ちょっと違った確度から
宮崎市の8月の気象統計データで
この傾向を以下に示してみたいと思います。
    
まず、
0.5ミリ以上の雨が降った日数は
12年が19日
11年が17日
10年が20日
09年が10日でした。
    
また、パラッとも雨がしない
0.5ミリ未満の雨も観測しなかった日数は
12年が5日
11年が5日
10年が7日
09年が12日となっています。
    
09年を最後に、
雨の降る日数が増えているのが
分かるデータでしょうか。
それだけ、洗濯日和が少ないと言うことです。
    
一方、日照時間は、
12年が159.6時間
11年が191.0時間
10年が224.6時間
09年が208.1時間で、
10年は日照時間が多かったのに、
雨の降った日も多かった年で、
今年よりもより南国の島の雰囲気が
強かったかもしれません。
    
これは、太平洋高気圧自体は
西までしっかり張り出していたものの、
北に偏っていたためです。
一方、去年や今年は、
太平洋高気圧が北に偏っていて、
さらに西への張り出しが弱い8月でした。
    
ここ数年では、2009年
最後の安定した夏晴れの多い夏だったのです。
平均した太平洋高気圧の比較を
画像欄に載せましたので、
参考までに比べてみて下さい。
    
2010年代に入って続いているこの傾向が
一過性のものならば良いのですが、
今後も頻繁に現れるようだと
温暖化の影響をより疑いたくなると思います。
    
    
さて、きょうは
安定した夏モードになりやすい
2009年のような
太平洋高気圧が南に張り出した形です。
    
上空の気圧の谷で
雲がかかった時間もありますが、
夕立雲も含めて
雨雲がかかったのはごく一部に留まっています。
    
地上の高気圧中心も、
きのうのOAで解説したように
本州の南に出来ていて、
高気圧の影響が強まりました。
    
朝は秋が感じられるくらいに
涼しくなったものの、
夏側の高気圧に覆われていますので、
昼間は蒸し暑くなっています。
    
あすの午前中までは、
この高気圧中心が近くて
影響の強い状態が続きそうです。
    
ただ、大陸にある秋側の空気が
秋雨前線を押して
徐々に前線が南下して来るため
あすの午後は
きょうより湿った空気の影響を受けやすく、
午後はきょうよりも
雨雲が発生、発達しやすい環境
になります。
    
午前を中心に晴れる所も多そうですが、
午後は山沿いを中心に
平野分も含めて
急な雨や雷雨にご注意下さい。
    
この前線が近い状態が
週末にかけても続く予想になってきました。
このため、
週間予報で雨マークが増えています。
    
九州付近は、週末に駆けて
秋の空気と夏の空気が
せめぎ合う場になってきそうです。
    
前線が完全に九州より南に下がれば
秋の空気になって安定しますが、
今のところ、
週末まではその気配がありません。
    
きょうは朝と昼の
体感的な秋と夏のせめぎ合いでしたが、
これからはだんだん
空気自体のせめぎ合いが多くなってきます。
    
    
秋と夏の
小さいせめぎ合いがあったこの前の週末、
佐土原では
キレイな虹色の雲が見えたようです。
    
視聴者の方が
「水平の虹が見えた」と
MRTに写真をメールして下さっていました。
ありがとうございます!
    
画像欄に載せましたが、
これは虹では無く
環水平アークと呼ばれるものでしょう。
    
日暈と同じで太陽の光が
雲の中で屈折する際に分光して見えます。
    
太陽とのなす角が46度の位置で
太陽の真下に出来ると決まっているため、
昼など太陽が高い所にないと出ません。
また、太陽が低い冬の間は
観ることが出来ない現象です。
    
日暈よりは見える頻度が少ないため
貴重なものをご覧になったと思います!
    
なお、虹の場合は、
必ず太陽と反対方向の空
に出来ます。
太陽と反対方向の雨のカーテンなどで
光が反射する際に分光して
虹色になって見えるのが虹です。
    
太陽と同じ方向に見える虹色の光は
虹ではありませんので、
虹かそうでないかの見分け方は
これだけ覚えておけば大丈夫です。
    
    
また、みなさまも、
珍しいものが見えましたら、
ぜひ写真を見せて下さい!
    
ヨロシクお願いします♪








120904_1

夏の天候
(気象庁HPより)











120904_2

09年と12年、
太平洋高気圧の比較
(気象庁発表資料より作成)

高気圧の軸が
県内の南にある場合は、
東からの
湿った空気の流れ込みが
弱くなります。











120904_3

環水平アーク

視聴者提供
日曜日のお昼頃に
佐土原で西の空に
見えたと言うことです。

ラッキーなものを
観られたので、
良いことがあると
良いですね♪

このお天気日記には
2年ぶり3度目の登場です。


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