難しい警戒レベル

ノダっち

11年2月23日(水) 17:48


またです。
先月の雨不足を取り戻すかのように、
今月に入って短い周期で雨が降っています。
 
通常時なら春に向かう雨なんですが、
今は、弱い雨の度に
新燃岳周辺で緊張が高まるのが
いかんともしがたいところです。
 
この雨までに
基準値の見直しが行われていれば
良かったのですが・・・
 
 
基準の見直しと言えば、
噴火警戒レベルの基準を見直す
話し合いももたれたようです。
 
しかし、噴煙の高さが一定以上になった時に
警戒レベルを上げるという報道もあったのが
気になります。
 
 
画像欄に、
MRTで先日放送した新燃岳の噴火特番の際、
鹿児島大学の井村准教授が持ってこられていた
今回の噴火による噴出物の写真を載せました。
 
大きな方の物は、
大人の顔くらいか、
もう少し大きいかったかもしれません。
これは2月1日の噴火で
火口から3.2キロ付近に飛んだ物です。
 
この大きな噴石は、現在、
火口内に貯まっている溶岩が
爆発的噴火によって吹き飛ばされた物
で、
マグマがゆっくりと冷えて出来きました
 
火口内に貯まった溶岩は、
次第に冷えて固まる過程で、
溶岩中に含んでいた
空気の圧力が高まることによって
爆発的噴火を起こしています。
 
要するに、
ビール瓶を冷凍庫に入れると
爆発するのと同じ
です。
冷凍庫に入れてはいけません、
と書いてあるので
経験された方は少ないと思いますが^o^;
 
一方の薄い色の小さいもの方は、
1月26日や27日に噴出された軽石で、
井村先生によりますと、
軽石は、地下深くから上がってきたマグマが
直接空気中に放出されて出来るそうです。
今後、このマグマが吹き出した噴火が起きるのを
懸念している

 
26日と27日の降灰量と、
その後の爆発的噴火による降灰量を比べても、
その規模の違いが感じられるかもしれません。
 
もちろん、現在の爆発的噴火でも
大きな噴石に当たれば命の危険があるものの、
火口から放物線を描いて飛ぶ
この大きな噴石はおおむね4キロと
見積もられていて、
現在、立ち入り規制中です。
 
また、爆発的噴火によって降る
小さな噴石(火山れき)によっても
ガラスが割れるなどの被害が出ていて、
これは風によって運ばれます。
 
火山れきは、
風が強いほど遠くまで届く恐れが有り、
逆に風が弱いと火口の近くに
たくさん降る可能性があるため、
風向き強さに注意が必要
です。
 
このため、最近は
野田がOAで風向きをお伝えする際、
新燃岳近くにあって風下にあたる市町村を
お伝えするようにしていますので、
参考にして下さい。
 
一方、マグマが直接吹き出す噴火で
懸念されているのは、火砕流の発生のようです。
それが大規模になれば、
防災マップ(コレ(PDF))にあるような
4キロの範囲を超える火砕流の発生があるのかもしれません。
 
野田が気になっているのは、
そんな大規模に噴煙が上がる噴火が起きてから
警戒レベルを上げて、
避難などが間に合うのでしょうか??

ということです。
 
専門家の方々が集まって決められたので、
きっとそれで大丈夫なんだろうと思いますが、
火山に関してはほぼ素人の野田は
すごく不安に感じました。
 
きっとお近くにお住まいの方は
もっと不安なのではないでしょうか。
 
 
ちなみに、
気象庁が作成した警戒レベルのリーフレットには、
レベルの想定される現象として
火口から約2.5キロの範囲に噴石飛散
となっています。
 
ご存じの通り、現在
もうコレを超えての噴石の飛散がありました。
このリーフレットの内容って何だったんだろう?
という状況です。
 
警戒レベルの運用の難しさを物語っています。
 
 
野田自身、
様々な資料や衛星、レーダーなどで
現状が把握できる天気の予報や警報ですら、
適切なタイミングや内容の情報が
出し切れていないこともあって
難しさを感じています。
 
ましては地下で起きていることがメインで、
直接見ることが出来ずに
分からないことがたくさんあるため、
現状の把握や予知、予報は
より困難なことでしょう。
 
今回、見直された基準は
適切に運用されて
人の命が守られる事を切に願います。
 
 
もちろん!
 
地下のマグマが再び上昇せず、
このまま山が落ち着いてくれて、
こんな野田の不安が
杞憂に終わってくれるのが一番ですが!









110223_1

井村准教授が
持ってこられて
噴出物。

下が
26,27日に出た軽石。

上の大きな物が
2/1日の噴石。
放物線を描いて飛んだ物。

噴石の向こうに
チラッと見えているのは
火山れき。
風が強い時は、
10キロ以上
運ばれることもある。










110223_2

きょうの新燃岳
(気象庁HPより)

低い雲が
かかっていました。


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