温低が熱低化!?

ノダっち

24年9月24日(火) 18:00

日曜日は、
やや緊張感の高い雨になりました。
 
その前に、
14号を吸収して活発化した秋雨前線は
土曜日に、正月の地震の被災地に
再びの大きな爪痕を付けています。
 
胸が締め付けられるような状況です。
 
九州付近を南下した前線も、
活動が強い状態で
途中で南下速度が鈍ったように見え、
緊張感が高まりました。
 
県内でも、解析雨量で
3時間120ミリを超えている領域も出て、
一気に道路が冠水した所もありましたし、
土砂災害の
危険度が上がった所もあったものの、
午後になって、だんだんと
前線活動が弱まってくれたので
助かった状況です。
 
金曜日の段階では、
月曜日の早いタイミングで
南に抜けそうだった前線ですが、
午前は南岸で前線活動が強まったため、
きのうは、午前まで
南部を中心にやや雨脚が強まりました。
 
午後になって前線がやや南に離れて
天気が回復しています。
 
ただ、きのうの朝の時点で、
もう前線の北側になっていたため
やはり、予想通りに
秋らしさは感じられてきたでしょう。
 
 
けさ、
高千穂町のライブカメラを見てみると、
国見ケ丘からの雲海も出ていたようです。
 
広い範囲で
この秋一番のヒンヤリ感の朝になり、
北部山沿いは
15度前後まで下がっていました。
 
ただ、これで平年並みです。
やっと平年並みの朝になっています。
 
一方、日中は
たっぷりの日差しで気温が上がって
さらに、東からの風によって
湿った空気も入っているので
やや熱中症危険度が高めの
蒸し暑さのある空気感でした。
 
 
今夜以降は、
さらに湿った空気が流れ込んで、
雨雲になってきそうです。
 
あす午前にかけて
東から時おり雨雲が入ってきて、
雨が降ったり止んだりの予想で、
局地的な雨雲の発達による
落雷や突風の発生にご注意下さい。
 
午後は
雨雲が少なくなってきそうですが、
北部ほど午後も残りそうな予想もあります。
 
朝にかけては雲が増える分、
けさに比べると涼しさが弱まりそうですが、
日中は日差しが少なくなる分、
きょうよりも暑さが弱いでしょう。
 
なお、この雨雲は
単純に見ると本州の南を吹いている
東風によって流れんでくる
と見えるのですが、
その南に、あさって以降の天気を
左右するかもしれない
非常に珍しいものが出来ました。
 
 
きのうの午前にかけて
雨を降らせた前線の活発な部分に
昨日の午後3時から
低気圧が発生していたのですが、
この低気圧は、昨夜、
前線から切り離されて
単独の温低になっていました。
 
きょうにかけてゆっくりと東に進んだ後、
きょうの午前9時に
この温帯低気圧が無くなり、
かわって
熱帯低気圧が解析されてきたのです!!
 
温低は、
寒気と暖気のぶつかり合いがエネルギーで
熱低は、暖湿気のみがエネルギーになり、
構造が全く別のものになります。
 
一般的には、
暑い地域で熱低が出来て
冷たい空気のある地域に北上してきて、
冷たい空気と熱低の暖かい空気がぶつかって
熱低(または台風)が
温低に変わっていくというのは
よくあるケースです。
(台風が温低化するなど)
 
今回は、このが起きました。
 
温帯低気圧が、前線と切り離され、
冷たい空気とのぶつかり合いが無くなって
暖かい海の上で、
暖湿気のみがエネルギー源になって、
温低から熱低に変わったようなのです。
 
ノダの見ていた範囲内では、
この温低から熱低が出来たのを見たのは
この気象予報士人生24年で
初めてのことになります。
 
延期になっていた
H2Aロケット49号機の打ち上げが
あさって26日午後2時24分に
予定されているのですが、
この熱低の動き次第では、
まだこの予定通りいけるのか、
ハッキリわからなくなりました。
 
今回は
情報衛星の打ち上げなので
詳細な情報は出ていませんが、
今の予報通りに晴れれば、
いつも通り右上に上がっていくのが
見えるのではないかと思いますが、
あすの予報もまたご確認ください。
 
 
ということで、
週後半の予報も、
ちょっと様子見でお願いします。
 
 
一方、
きょうは冬にかけての長期予報
寒候期予報が発表されました。
 
来月も高温傾向で、
太平洋高気圧の周辺をまわって
暖かく湿った空気が流れ込みやすいため
平年より晴れる日が少ない予想です。
この暖かく湿った空気が
台風でないことを願いましょう。
 
11月になると高温傾向は落ち着いて、
どうやら寒気が南下する時期が出てきて、
12月~2月は、
ほぼ平年並みの気温予想ながら、
やや低温寄りの予想になっています。
(低:並:高=4:3:3)
 
これは
ラニーニャ現象の影響もありそうです。
 
急な寒さは体調を崩しやすいので
この冬も気温の予想にも注目しましょう。
 
今年も秋が短いかもしれません。
240924_1
きのうの夕焼け
240924_2
冠水していた
日曜日の昼頃の
宮崎市吾妻町の
アンダーパス
240924_3
けさの青空
240924_4
冬の天候予想の根拠となる
大気の予想のポイント
(気象庁HPより)

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